家具の音楽たち 2021—AI生成音楽インスタレーション

徳井 直生

《家具の音楽たち》は、基本的には生成的(ジェネラティブ)なものです。
《家具の音楽たち》は、決まったかたちをとりません。
《家具の音楽たち》は、流れていきます。
《家具の音楽たち》をどうぞ!
《家具の音楽たち》
《家具の音楽たち》を聴く人は、それぞれがその時々で異なるメロディを感じるでしょう。
《家具の音楽たち》は、時の流れと空間の広がりを感じさせるものです。
《家具の音楽たち》は、それとなくわたしたちを優しく包み込みます。使い慣れた家具のように。

AIの音楽生成モデルが生み出すある楽曲の無限のバリエーションは、完成し譜面やメディアに固定化された「音楽」とは異なる、新しい音楽のかたちを提示する。

エリック・サティによって提示された「家具の音楽」—聞かなくても良い音楽、ただそこにある音楽——の考え方に基づき、サティの楽曲を学習したAI音楽生成モデルが、ある楽曲(サティの『ジムノペディ』)のあり得たかもしれない無数のバリエーションを空間的に配置する。